こんにちは。皆さんは個別株でどのような企業に投資しておられるでしょうか。ここ10年の間にハイテク産業は目覚ましい成長を遂げ、株価も10倍に上昇した企業も少なくありません。
株のブームはテーマ毎におおよその期間がありますが、長期でも5年以内と言われています。2022年ごろから生成AIブームが流行っていますがそれも段々と落ち着きをみせ、実際、2025年に入り、S&P500を主とした指標も下落基調をみせ、停滞しています。そんな中でも一旦は下落したもののすぐに元値に戻り、最高値を更新している企業もあります。
おそらくAIブームは今後落ち着いていくでしょうが、すでに私たちの生活の一部としてそれは根付きつつあり、企業の成長も後押ししていくことになると思います。今回は、AIを用いて巨大なデータ収集、分析を行い、利益を拡大し続けているパランティアテクノロジーズを紹介していきたいと思います。
📈 パランティア・テクノロジーズ(PLTR)とは?
1. 企業概要
- 設立年:2003年
- 本社:アメリカ・コロラド州デンバー
- 創業者:ピーター・ティール(PayPal創業者でもあり、著名なベンチャー投資家)
- CEO:アレックス・カープ
- 事業内容:主にビッグデータ解析ソフトウェアの開発・提供を行う企業。
政府機関、軍事機関、民間企業向けに、巨大なデータを整理・分析し、意思決定を支援するプラットフォームを提供している。
設立したての頃はまだ実績もなく、あまり業績も良くはありませんでした。しかし、創業者ピーターティールはペイパルの創業者でもあり、イーロンマスクとも旧知の仲であるためそれなりの知名度はある企業でした。そしてここ数年AIの進化に伴い、飛躍的に業績や株価も上昇しています。そんなパランティア、どのような企業なのか深堀りしていきましょう。
2. 主な製品・サービス
1.Gotham(ゴッサム)→ 政府機関向けのプラットフォーム。
膨大な情報をもとに、テロ対策、諜報活動、犯罪捜査などをサポートするソフトウェア。
- テロ対策や犯罪捜査で利用 米国CIAやFBIなどが、過去の事件データや監視情報、通信記録などを統合し、潜在的な脅威や容疑者の行動パターンを可視化。
- 軍事作戦での活用 衛星画像、戦場のセンサーデータ、敵の動きなどをリアルタイムで分析し、軍事作戦の決定に貢献していると報じられている。
2.Foundry(ファウンドリー)→ 民間企業向けのプラットフォーム。
製造、金融、医療など多様な業界に向けて、データ統合・分析・意思決定を支援。
- 製造業でのサプライチェーン最適化
例えばボーイングやGMなどが、部品供給や在庫、工場稼働データを一元管理し、生産の遅延リスクを早期に発見。 - 医療分野での臨床試験や患者データ分析
新薬開発企業が、患者の遺伝子情報や治療履歴を解析し、パーソナライズド医療(個別化治療)に活用。
3.AIP(Artificial Intelligence Platform)→2023年に導入されたAIプラットフォーム。 政府機関、企業の業務効率化や意思決定支援に活用されています。
- 工場や物流でAIによる異常検知や業務効率化
現場のセンサーから得られる情報をAIで解析し、予知保全(故障予測)や人員配置の最適化に使われています。 - 企業の意思決定支援
売上・コスト・市場動向などの膨大なデータを基に「このまま進めるべきか?止めるべきか?」を明示的に可視化してくれます。
4. Apollo(アポロ)→パランティアの他のソフトウェア(FoundryやGotham)を安全・迅速にアップデート&管理するための”運用インフラ”
- 位置づけ: すべてのソフトウェアを「安全に配布・アップデート」するための裏方インフラ。
- 役割: GothamやFoundry、AIPがどこに導入されていても、止めずに更新可能にする。
む、難しい、、、(;^ω^)しかし凄い技術が使われていることには間違いない。自分が理解できない技術やその企業には投資するべきではないと賢人は言っていますが、今さらこんな凄い企業の株、手放せねぇ(^◇^)
🚀 ざっくりまとめ
名前 | 主な対象 | 目的 | AIとの関係 |
---|---|---|---|
Gotham | 政府・軍 | 脅威分析・捜査支援 | AIPを組み込める |
Foundry | 民間企業 | データ統合と業務改善 | AIPでAI分析が可能 |
AIP | 全業界共通 | AIでの意思決定支援 | ChatGPT的インターフェース |
Apollo | 全ソフト共通 | 運用・更新の自動化 | インフラとして支える |
3. 強み・魅力
- 政府との強いコネクション
CIA(米中央情報局)関連ベンチャーキャピタル「In-Q-Tel」から初期投資を受けてスタート。
米国防総省やFBI、NSAといった超大口顧客との取引実績あり。 - 民間事業への拡大が加速中
近年は航空宇宙、製造、医療、エネルギーなど幅広い産業でのデータ活用ニーズに応え、急速に民間企業向けビジネスを拡大中。 - AI・機械学習との融合
AIを用いた意思決定支援ツールとしての進化も続けており、今後さらにAI・データ社会の中心企業としての期待が高まっている。
と、ここまで色々パランティアの凄さを紹介してきましたが、私が一番この企業を推す理由は防衛関連としての役割が大きく、今後もその規模を拡大していくと思っているからです。今後、情勢不安からどの国も国防の拡大、軍事力増強を図っていくことは間違いありません。そして、以下にパランティアが防衛関連と思う理由を挙げておきます。
🛡️ パランティアが防衛関連株とされる理由
✅ 1. 主力顧客が軍・政府
- 米国防総省(DoD)
- 特殊作戦軍(SOCOM)
- アメリカ陸軍・空軍・宇宙軍
- 2025年4月にはNATOがデータ分析のAIシステムを購入
これらと数百億円〜1000億円規模の契約を結んでいます。
✅ 2. 軍事行動に直結するデータ分析
- 兵士の動線、敵の位置、兵站(物資供給)などをリアルタイムで可視化。
- ドローン、衛星、センサー、通信などの軍事データを統合分析。
- ウクライナ戦争では「戦場AIの中枢」として活躍。
✅ 3. CEO自身が“兵器級ソフト”と発言
- アレックス・カープCEOは、パランティアのソフトを「アルゴリズム兵器」と公言。
- 「ソフトウェアが新しい兵器だ」と強調しており、軍事寄りの姿勢は明確です。
このように、良くも悪くも、パランティアは「サイバー空間における防衛銘柄」であり、現代の戦争で“情報の覇権”を握る企業になっていく気がします。
4. 業績や株価
時価総額2,795億5,491万ドル (41兆4,781億円)
株価118ドル(17,582円) 騰落率+0.5%
PER(実績)515倍 PBR(実績)51.5倍 ROE12.4% 配当利回り-%
📈 最新の業績と動向(2025年第1四半期)
2025年第1四半期、パランティアは以下のような好調な業績を報告しました:
- 売上高:8億8,400万ドル(前年同期比39%増)
- 米国政府との契約収益:3億7,300万ドル(45%増)
- 米国民間企業からの収益:2億5,500万ドル(71%増)
この驚異的な成長は、特にAIプラットフォームの需要増加と、防衛分野での契約拡大によるものです。CEOのアレックス・カープは、同社の「ウォリアーカルチャー(戦士文化)」が成功の鍵であると述べています。
💹 株価情報(2025年5月6日現在)
パランティアの株価は、2025年5月6日現在、123.77米ドルで、前日比0.42ドル(0.34%)の下落となっています。
同社の株価は、2025年初めの75.63ドルから約64%上昇し、年初来高値を更新しています。しかし、最新の決算発表後、株価は一時的に下落しました。これは、同社の高い評価と市場の期待に対する慎重な見方が影響していると考えられます。
下のチャートは4年間の成績です。ここ数か月で急激な成長を遂げています。AIブームもありますが、米国のみならず、NATOもパランティアと契約を結び、一般企業とも契約を増やしており、今後も上昇していく予想が大きいです。ただ、PERは500倍を超えているため、慎重に投資する必要があります。
例えば、米国市場の下落局面ではハイテク株は下がりやすいことからそのタイミングで投資することも一つの手です。わたしは60ドル付近で10株ほど買い、その後定期的に買いまして、現在は21株ほど所有しています。評価損益はプラス75%で16万ほどです。もう少し買っておけばと思いましたが、初心者投資家にしては上出来と自分を褒めて、いや慰めています。(´;ω;`)
しかし何が起こるか分からないのがトランプ相場。ここぞというタイミングで投資できるよう余力は残してチャンスを待ちます✨

5.まとめ
政府機関向けのビッグデータ分析、開発から発展し、民間企業まで数年のうちに事業を拡大してきたパランティア。今後、AIの進化とともに企業も発展し、さらに地政学リスクや米中関係、中東の紛争問題など、様々な状況を鑑みるに軍事的、防衛の面でさらにパランティアの企業価値は高まっていくと思われます。世間一般にはまだ知られていないパランティアがGAFAMと同じくらい有名になる日もそう遠くないかもしれない、そう思いながらこの企業に注目していきたいと思います。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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