物価高の時代に光る「トライアル」という存在
みなさんは食料や日用品はどこで買っていますか?この物価高において衣食住に関する金銭的問題は悩みの種ですよね。私はもっぱらトライアルというスーパーで全て買い物を済ませる場合が多いです。西日本、特に九州に住んでいる方には昔から馴染みがある方も多いかもしれませんが、最近では西友を買収して全国的な知名度を獲得しつつある企業です。
個人的には会計の際に並ばずに買い物ができるレジカートや299円でめちゃくちゃ美味しくてボリュームも満足出来るカツ丼が一押しです!そのほかの商品も安く、コスパ最高のお店でス。
レジカートについては後で詳しく書いていきます。
ただここに書いただけの内容だと他の普通のディスカウントストアと大差がなさそうですが、その裏側ではAIとデータを活用した次世代の小売経営が進んでいます。
2024年のIPO(新規上場)を機に投資家からの関心も高まり、「安売りの裏に“データ戦略”あり」と言われるほどの存在感を放っています。
本記事では、トライアルのビジネスモデル・競合との違い・株価指標・今後の成長性を、投資家の視点からやさしく解説します。

トライアルってどんな会社?
トライアルホールディングスは、福岡県福岡市東区に本社を構えるディスカウントストア運営会社です。
全国に「スーパーセンター」「メガセンター」を展開し、食料品・日用品・家電・衣料など、生活に必要なあらゆるものを扱っています。
創業当初は家電販売からスタートしましたが、現在はAI×データ経営を柱とする小売企業に進化。
店舗内にはカメラ・センサーを設置し、顧客の動線・購買データをリアルタイムに収集。
それを基に、
- 売れ筋商品の自動発注
- 棚割り(陳列)の最適化
- 価格設定や販促の自動調整
などを行っています。
つまり、トライアルは**「AIによって動くスーパー」**なのです。
データで利益を生む仕組み──“小売”ではなく“情報産業”へ
トライアルの本当の強みは「安さ」ではありません。
それを支えるデータ分析力と効率化の仕組みにあります。
顧客の購買行動データを集め、AIが自動で最適な仕入れ・価格・在庫を算出。
さらに、そのデータをメーカーにも共有することで、広告や商品開発にも活用しています。
結果、
- 無駄な在庫を減らす
- 人件費を抑える
- 顧客満足度を高める
という好循環を生み出しています。
言い換えれば、トライアルは「安さを使ってデータを集め、そのデータで儲ける企業」。
まさに、日本版Amazonのようなモデルです。
■ 「レジカート」:データ小売業の中核
トライアルの象徴ともいえるのが「レジカート(スマートショッピングカート)」。
買い物中にバーコードをスキャンすると、その場で合計金額が表示され、
買い物後はセルフレジで一瞬で決済完了。
レジ待ちのストレスを解消するだけでなく、顧客行動データをリアルタイムで収集します。
この仕組みは、単に利便性を高めるだけでなく、
「どの時間帯に、どの層が、どんな商品を買っているのか」というマーケティング情報を蓄積します。
つまりトライアルは、**“データを持つ小売業”**なのです。
このデータが将来的にメーカーとの連携や広告ビジネスへ発展すれば、
小売業の利益構造そのものを変える可能性があります。
■ トライアルのオリジナル商品(PB)戦略
トライアルのもう一つの注目ポイントが、「プライベートブランド(PB)商品」です。
他社で言えば、イオンの「トップバリュ」やセブンの「セブンプレミアム」のような立ち位置。
トライアルでは**“品質と価格のバランス”**にこだわったPBを多数展開しています。
代表的な商品には、以下のようなものがあります:
- 阿蘇くじゅうの天然水:硬度約40mg/Lの軟水。500 ml 本体価格38円、2L は本体価格58円という圧倒的低価格。年間売上5,400万本超。水も最近高くなってきて買うのにちょっと躊躇している方もこの値段であれば納得です。 トライアルネット
- ロースかつ重(自社惣菜PB):鹿児島県枕崎産鰹節出汁とトライアル独自のタレを使い、税込299円。「店長おすすめ」ランキングで惣菜部門1位。 これは本当に美味しくてコスパぶっ飛んでます。トライアルネット
- 限界までクリームつめちゃいましたカスタード・ホイップシュー:北海道産生クリーム使用、税込99円。2024年5月~2025年3月で約222万パック販売の実績。 トライアルネット
これらのPB商品のほかにも様々な食品、衣類や日用品も取り扱っており、コスト削減に一役買っています。なおかつクオリティも高いというところが他社と比較しても遜色ないどころか優っています。
投資家目線で見ると、PB比率の上昇は粗利率改善に直結します。今後、PBが売上全体の20〜30%を占めるようになれば、収益構造がより強固なものになるでしょう。
■ 消費者目線での強みと課題
強み
- ワンストップで完結する便利さ
- PB商品の価格競争力
- レジカートによる効率化
- 地方密着型の出店戦略
課題
- 地域ごとのサービス品質のバラつき
- 技術投資コストの継続負担
- 大都市圏での競争激化
PB商品の評価が上がればブランドロイヤルティが強まり、ディスカウント市場の中でも“安さ以外の理由で選ばれる店”へ進化できます。
そして、現在の勢いをさらに増すようなビッグニュースが2025年に入ってきました。
西友を買収
西日本で店舗を増やし、勢力を拡大してきたトライアルですが2025年に西友を買収したというニュースが入りました。これにはたまげましたが、概要は以下の通りです。
■ 買収の概要
- トライアルHDは、2025年3月5日付の取締役会で、株式会社西友の株式を取得し、完全子会社化することを決議しました。 トライアルホールディングス+2ツギノジダイ+2
- 実際の株式取得・経営統合は、2025年7月1日付で完了しました。 Impress Watch+1
- 買収金額は約 3,800億円(およそ 3,826 億円と報じられています)とされています。 ネットショップ担当者フォーラム+1
■ なぜ西友を買収したのか(トライアルHDの狙い)
買収理由には複数の重要な戦略ポイントがあります。公式資料・メディア分析から抜き出すと次の通りです:
- エリア拡大:これまでトライアルHDは主に九州を基盤としてきましたが、西友を加えることで「関東エリア・中部・関西」など大都市圏への足場を一気に強化できます。 ツギノジダイ+1
- 製造・物流・PBの強化:西友は自社製造拠点やプライベートブランド(PB)商品、惣菜・食品加工のプロセスセンター等を保有しており、トライアルHDがこれらを活用することで“食”分野の競争力を強める意図があります。 トライアルホールディングス+1
- データ・テクノロジーとの融合:トライアルHDが進めてきた「レジカート」「顧客動線データ」「購買データ×AI」などのリテールテックを、西友の広い店舗網・顧客基盤に展開することで、効率化+収益性改善を狙っています。 トライアルホールディングス+1
■ 買収が意味するもの・メリット
- トライアルHDの連結売上高が1兆円超規模になると報じられており、小売チェーンとしてのスケールが一段上がる可能性があります。 リアルエコノミー+1
- トライアルHDと西友の店舗で、商品・PBの相互展開が計画されており、例えば西友のPB「みなさまのお墨付き®」などをトライアル店舗でも展開する方針です。 Impress Watch
- 店舗網の“重複が少ない”という点もメリット。トライアルHDは九州基盤、要するに地域が重なりにくかった西友との統合で、競合リスクの低い拡大が可能とされています。 トライアルホールディングス+1
■ リスク・注意点
- 買収金額が大きく、借入金の調達を伴っているという指摘があります。買収額と純資産との乖離、財務負担増という観点からの懸念も。 Business Insider Japan
- 統合が進まない場合、シナジーが出るまで時間を要する可能性。例えば、物流・製造拠点の統合、IT/データ基盤の共通化など。
- 大都市圏の消費環境や競合環境は厳しいため、地方基盤で強みを持っていたトライアルHDが都市部で同じ成果を出せるかは“実行力”が問われます。
ここから一気に全国へ展開してさらなる企業拡大に期待したいところですね。
各社比較:トライアル・業務スーパー・ドンキ・イオン・ラムー(大黒天物産)
| 企業 | 特徴 | 強み | 主なターゲット層 |
|---|---|---|---|
| トライアル | ディスカウント × デジタル小売(AI、スマートカートなど) | 高い価格競争力、生鮮・惣菜、DX効率化 | 地方在住の家族・節約志向の生活者 |
| 業務スーパー(神戸物産) | 大容量PB・業務用食材重視 | 冷凍・調味料が非常にコスパ高、自社工場 + 卸からの強み | 大家族、飲食店、まとめ買い重視の層 |
| ドン・キホーテ(PPIH) | ディスカウント+バラエティ雑貨・深夜営業 | 雑貨・家電強み、“宝探し”買い物体験 | 若者、単身者、衝動買い好き、夜型客 |
| イオン | 総合型ショッピングモール+食品スーパー | 品揃えの広さ/PB(トップバリュ)/スケール力 | ファミリー層、日常ショッピング重視、高齢者など |
| ラ・ムー(大黒天物産) | 超低価格ディスカウントストア、24時間営業店舗多数 | 自社PB(「D-PRICE」ブランド)によるコスト削減、効率的なローコスト運営 | 節約志向の家族・学生・庶民、毎日の食材をとにかく安く買いたい人 |
それぞれ特徴や強みに違いがありますがトライアルは他社と比べて、**「地方×データ×安さ」**というユニークなポジションに立っています。
派手さはないものの、生活に密着した“地味に強いビジネス”を展開しています。
個人的には総菜がラ・ムーより値段は少し高いが、味はトライアルが勝っていると思います。
最新の株価指標とチャート動向(2025年10月時点)
指標(2025年11月7日時点)
- 株価:2,087円 みんかぶ+3Yahoo!ファイナンス+3IFIS株予報+3
- PER(会社予想ベース):510.5倍(予想EPS 4.1円) IFIS株予報
- PBR(実績ベース):2.02倍(BPS 約1,031円) IFIS株予報+1
- 配当利回り:約0.76%(1株配当 16.00円) みんかぶ+1
- ROE(実績):約9.72% Yahoo!ファイナンス+1
- 時価総額:約2,554億円 株探+1
⚠️ 補足・注釈
- PERが極端に高く出ている(510倍)部分は「予想EPSが極めて低い」ためという事情が反映されています。利益予想がブレ易い銘柄であるため、このPERだけを根拠に割高/割安を断定するのは危険です。
- PBRは2倍前後と、資産価値ベースではそれほど過度には高く見えない面もあります。
- ROEが約9~10%で、資本効率改善の余地あり、という解釈もできます。

2024年3月にトライアルホールディングスはグロース市場へ上場しました。
チャートを見ると、株価は年初の高値から調整中。
短期的には売られすぎの局面もありますが、中長期で見れば「成長ストーリーは続いている」段階です。
AIによる効率化が収益に反映され始めれば、再び評価が高まる可能性があります。
私は9月ごろ3300円くらいで買ってしまいました(´;ω;`)ずっとマイナス見るのもつらいので一旦2200円くらいで売って再度2000円で100株買ってます。
投資家目線で見たトライアルの将来性
トライアルを投資先として見るとき、注目したいポイントは以下の3つです。
① AI×リアル店舗というハイブリッド戦略
オンラインだけで完結しない、「リアルデータの価値」を最大限に活用。
この仕組みは、ネット通販では再現しにくい強みです。
② 物価高の追い風
消費者が節約志向になるほど、ディスカウント業界は強くなります。
今後も安定した顧客基盤を確保できると考えられます。
③ 地方から全国への拡大余地
店舗数はまだ大手ほど多くありませんが、地方都市を中心に伸びしろがあります。
データ活用による効率的な出店ができれば、利益率も改善するでしょう。
→西友を買収して波に乗り全国制覇を目指してほしいところです!
まとめ:トライアルは“地方の青い革命”
トライアルホールディングスは、「安さ」で勝負する企業ではなく、
「データで小売を再定義する企業」です。
地方の暮らしに密着しながら、AIとデータを駆使して利益を生み出す。
その姿勢は、これからの日本の小売モデルに新しい風を吹かせています。
投資家にとっては、短期の値動きよりも中長期の構造変化に賭ける銘柄。
データ経営が実を結ぶタイミングで、株価の再評価が起こる可能性は十分にあります。
“日常にある未来企業”──それがトライアルホールディングス。
青い看板の向こうにあるのは、AIが動かす新しい時代のスーパーです。

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