金色の株、INPEX

日本株

今日はINPEXという企業についてご紹介していきたいと思います。なぜタイトルに金色の株と書いているのか、それはその名前の通り、日本株で唯一、黄金株と名のついた銘柄なのです。INPEXの黄金株は「甲種類株式」と呼ばれ、**​経済産業大臣が保有しています。この黄金株は、エネルギー資源の安定供給を確保するため、同社の経営上の重要事項に対して拒否権を行使できる特別な株式です。日本ではINPEXが唯一の黄金株です。敵対的買収の防衛策としてや、重要な企業の保護として扱われるメリットがある一方、投資家への魅力が下がり株価が伸び悩む傾向がみられることもあります。

INPEX(インペックス)について

INPEX(国際石油開発帝石)は、日本最大のエネルギー開発会社で、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産を行う企業です。もともとは「国際石油開発」と「帝国石油」の統合により設立され、現在は世界中で事業を展開しています。

INPEXについて

🔹 基本情報

  • 正式名称:株式会社INPEX(旧:国際石油開発帝石)
  • 設立:2006(平成18)年4月3日(国際石油開発と帝国石油が統合)
  • 本社:東京都港区
  • 事業内容:石油・天然ガスの探査・開発・生産・販売
  • 資本金:2,908億983万5,000円
  • 従業員数:単体:1,384人
         連結:3,531人

🔹 事業の特徴

日本最大のエネルギー企業(上流部門を持つ唯一の日本企業)原油生産量は世界11位
LNG(液化天然ガス)事業が主力(オーストラリアのイクシスLNGが柱)※後述
長期契約が多く、安定収益
政府の影響が強く、買収リスクが低い


🔹 主なプロジェクト

🔹 イクシスLNG(オーストラリア):日本向けLNG供給の大部分を占める

イクシスLNGプロジェクト及び周辺鉱区 | INPEX

INPEXが主導する、日本向けLNG供給の最大プロジェクト
オーストラリア北西部の海上ガス田(Ichthys Gas Field)で天然ガスを採掘し、ダーウィンの液化プラントでLNG(液化天然ガス)に加工。
そこから日本をはじめとするアジア市場へ輸出する。クシスLNGは、INPEXの収益の柱であり、日本のエネルギー安定供給に貢献する超大型プロジェクト。実に利益の6割以上を占めています。


🔹 アブダビ(UAE)油田権益:日本のエネルギー安全保障に貢献
🔹 カスピ海(カザフスタン)油田:生産量の一部を日本に供給
🔹 再生可能エネルギー:水素・CCUS(CO2回収貯留)・地熱発電・風力発電に投資

詳しくは企業ホームページをご参照ください。規模の大きいプロジェクトばかりでページを見るだけでもワクワクします。

プロジェクト | INPEX


INPEXの株式情報

基本情報(2025年3月時点)

  • 銘柄コード:1605(東証プライム)
  • 時価総額:約3.8兆円(2025年3月時点)
  • 株価:2,100円前後(2025年3月時点)
  • PER(株価収益率):5倍前後(低め)
  • PBR(株価純資産倍率):1倍以下が多い(割安傾向)
  • 配当利回り:3〜5%(高配当)
  • 株主優待:なし
  • 株主構成経済産業省が黄金株を保有(政府の影響が強い)

株価動向

参照:https://www.kabutore.biz/

株価を2008年に大幅下落してそのまま低空飛行を続けており、この2年ほどで徐々に上がりつつあります。これはリーマンショックからの原油価格の大暴落、INPEXの配当性向の低さ、内部留保確保が起因しているとみられています。近年は高配当戦略や再生可能エネルギー投資を進めており、長期的な回復の可能性がかんがえられそうです。

INPEXの株価は原油価格と連動しやすい傾向があります。

  • 原油価格が上昇 → 利益増加 → 株価上昇
  • 原油価格が下落 → 利益減少 → 株価下落

また、カーボンニュートラルの流れが進む中で、再生可能エネルギー事業の成長が評価される可能性もあります。

INPEX社長とアナリスト馬渕さんの対談、IR向け動画に概要や今後の動向について詳しく説明されていますのでこちらも参考になります。


投資のポイント

メリット

  • 高配当(3〜5%)で、インカムゲイン狙いの投資に向いている
  • PER/PBRが低めで、割安株としての魅力あり
  • 原油・天然ガス価格が上昇すると業績が向上しやすい
  • 再生可能エネルギー事業の成長性に期待

デメリット

  • 原油・天然ガス価格の変動リスクが大きい
  • 世界の脱炭素政策の影響を受けやすい
  • 長期的に化石燃料需要が減少する可能性がある

🔹 長期投資の視点

INPEX株を20年間保有する場合のポイント
1️⃣ エネルギー需要が続く限り、安定した収益が見込める
2️⃣ 配当が継続すれば、長期でのインカムゲインが魅力
3️⃣ 石油・ガス価格に左右されるため、景気変動に注意
4️⃣ 脱炭素の流れで事業モデルが変わる可能性あり(再エネ投資に期待)


まとめ

今後の戦略として

  • 原油価格が上昇して株価が上がったら一部利益確定
  • 配当をもらいながら長期保有するのも選択肢
  • 脱炭素関連の動向に注目しつつ、業績チェック

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